菱田春草筆 明治43年(1910) 絹本着色 1幅 150.4×51.0



画家の命ともいうべき目をわずらいながらも、日本画の革新に挑み続けた菱田春草が、36歳の若さで亡くなる前年、第4回文展に発表した作品。  
秋になり、枝から離れる直前、落ち着いた輝きを放つ柏の葉を、絵絹の裏にも顔料を塗る裏彩色の技法によって表現し、幹には、じっとこちらを見つめる黒い猫を描く。  
この年の文展には、屏風「雨中美人」を出品するつもりで制作していたが、着物の色が思い通りにならず、予定を変更して5日程で描き上げたという。

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