楚石梵�g（１２９７〜１３７０）は、元朝末期から明朝初期にかけて中国禅宗界で重きをなした、浙江省寧波出身の高僧。詩文に巧みで能書家としても知られ、雪舟はこの人が「雪舟」と書いた幅を手に入れて自らの名とした。
「心華室」とは、中国に渡った日本人僧侶、無我省吾（むがしょうご）（１３１０〜１３８１）が居住した、金陵牛頭山にある部屋の名で、この室名にちなんで法語を賜ったのである。無我は、元末の騒乱によって荒廃した牛頭山の殿堂を復興して衆僧の信望を獲得し、心華室において７２才で示寂した。