永青文庫は、今は遠き武蔵野の面影を止める目白台の一画に、江戸時代から戦後にかけて所在した広大な細川家の屋敷跡の一隅にあります。
細川家は室町幕府三管領の一つとして武門の誉高い家柄で、現在の細川家は藤孝(幽斎)を初代として戦国時代に始まります。
武人藤孝は優れた歌人・国文学者として、また、信長の雑賀征伐に弱冠15歳で初陣し先駆けの功に輝いた忠興(三斎)は千利休の高弟の一人としても名高く、その室・明智光秀の娘玉は波乱の戦国時代を清冽に生きた武将の妻として、キリスト者としてガラシャの洗礼名で知られています。
代々文武両道にすぐれた細川家は、多くの戦功を挙げて、3代忠利のとき肥後熊本五十四万石を与えられ、強力な外様大名として幕末に至りました。
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